マイナ保険証・電子処方箋に対応した医療機関の見分け方

マイナ保険証を出すと診療情報を見てもらえる医療機関かどうかは、「電子的診療情報連携体制整備加算」という届出から分かります。この届出には、マイナ保険証の利用率が30%以上といった数値の条件が入っています。令和8年度改定で名前が変わった点も含めて説明します。

まず名前が変わっています

令和6年度から令和7年度にかけて「医療DX推進体制整備加算」と呼ばれていた項目は、令和8年度の診療報酬改定で「電子的診療情報連携体制整備加算」に変わりました。名簿の略称は「外医DX1」から「外医DX3」です。

当サイトが全国の名簿を取り込んだ時点では、旧名称の「医療DX推進体制整備加算」が東北厚生局に974件、関東信越と九州に各2件だけ残っていました。名簿の基準日が局によって1〜2か月ずれるため、切り替えの途中の状態が写っていたものです。当サイトでは新旧どちらの名称も「電子処方箋・マイナ保険証対応」として扱っています。

診療報酬は2年ごとに改定されます

加算の名称・要件・点数は改定のたびに変わります。同じ内容の届出でも、去年と今年で名前が違うことは珍しくありません。他のサイトや医療機関の掲示で古い名前を見かけても、内容は引き継がれていることがあります。

全国でどれくらいあるか

届出名称略称全国の届出割合
電子的診療情報連携体制整備加算3外医DX332,143件35.5%
電子的診療情報連携体制整備加算2外医DX230,870件34.1%
電子的診療情報連携体制整備加算1外医DX14,426件4.9%
遠隔電子処方箋活用加算遠電2,287件2.5%

区分2と3はどちらもおよそ3分の1の医療機関が届け出ています。当サイトの機能のなかでは最も届出が多い項目です。お住まいの地域の状況は電子処方箋・マイナ保険証対応の届出がある医療機関から探せます。

届出の条件

区分1の施設基準を例に、主な条件を挙げます。数値の条件が入っているのがこの届出の特徴です。

マイナ保険証の利用率30%以上

通知 第1の8 の1(4)

電子的診療情報連携体制整備加算を算定する月の3月前のレセプト件数ベースマイナ保険証利用率(同月におけるマイナ保険証利用者数を、同月の患者数で除した割合であって、社会保険診療報酬支払基金から報告されるもの)が、30%以上であること。

患者のうち何割がマイナ保険証を使ったか、という実績です。医療機関が体制を整えるだけでは足りず、実際に使われている必要があります。3か月前の数値を使いますが、その前月・前々月の数値に代えることもできます。

オンライン資格確認と電子処方箋

  • オンライン資格確認を行う体制を持ち、ポータルサイトで運用開始日を登録していること
  • 電子処方箋を発行する体制、または調剤情報を電子処方箋管理サービスに登録する体制を持つこと
  • 電子情報処理組織を使った診療報酬請求(オンライン請求)を行っていること
  • 明細書を患者に無償で交付していること

電子カルテの要件

次のすべて、または厚生労働省が認証する電子カルテ製品であることが条件です。

  • 厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に準拠した体制であること
  • 電子処方箋管理サービスとの接続インターフェースを持つこと
  • 電子カルテ情報共有サービスとの接続インターフェースを持つこと

マイナポータルの情報にもとづく相談

マイナポータルの医療情報等にもとづいて、患者からの健康管理の相談に応じる体制を持つことが条件です。過去の受診歴や処方を見ながら相談できる、ということです。

掲示の義務

次のことを院内の見やすい場所に掲示し、原則としてウェブサイトにも載せる必要があります。

  • 診察室などでオンライン資格確認システムから取得した診療情報を活用して診療していること
  • マイナ保険証を促進するなど、医療DXを通じて質の高い医療を提供できるよう取り組んでいること
  • 明細書を無料で交付していること

受付や待合室にこうした掲示が出ていれば、この届出をしている医療機関です。当サイトで調べなくても、その場で分かります。

患者にとって何が変わるか

この届出のある医療機関でマイナ保険証を使うと、本人が同意した範囲で、次のような情報を医師が見られます。

  • 他の医療機関で処方された薬
  • 過去の特定健康診査の結果
  • 過去の診療の情報

お薬手帳を忘れても、他院の処方が分かります。飲み合わせの確認や、検査の重複を避けることに役立ちます。

情報を見せるかどうかは本人が決めます

マイナ保険証を使っても、診療情報を医療機関に提供するかどうかは受付の端末で本人が選びます。同意しなくても保険証としては使えます。

この届出から分からないこと

届出があっても、次のことは分かりません。

  • 電子処方箋を実際に発行しているか。体制を持つことが条件で、常に電子処方箋になるとは限りません。紙の処方箋を希望することもできます。
  • マイナ保険証の読み取り機が受付のどこにあるか、操作に手助けがあるか。
  • マイナ保険証を持っていない場合の扱い。従来の保険証や資格確認書でも受診できます。

制度は改定のたびに変わります。この記事は令和8年度診療報酬改定の通知にもとづく2026年9月時点の内容です。最新の内容は厚生労働省の資料でご確認ください。

まとめ

  • 「電子的診療情報連携体制整備加算」が、マイナ保険証と電子処方箋への対応を示す届出です。
  • 令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」から名前が変わりました。
  • 全国の医科90,480件のうち32,143件(35.5%)が区分3を届け出ています。
  • 届出にはマイナ保険証の利用率30%以上という数値の条件が入っています。
  • 電子カルテと電子処方箋の体制も条件です。院内とウェブサイトへの掲示義務もあります。
制度は改定されます

診療報酬は2年ごとに改定され、加算の名称・要件・点数が変わります。この記事は2026年9月10日時点の内容です。最新の内容は厚生労働省の資料でご確認ください。

この記事は制度のしくみを説明するもので、特定の医療機関の受診をすすめるものではありません。診断・治療については医師にご相談ください。

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