夜間・早朝等加算とは(何時からが対象か、いくらかかるか)

夕方や早朝に診療所にかかると、初診料に「夜間・早朝等加算」が付くことがあります。何時から何時が対象で、いくら増えるのか。そして、この加算がなぜこのサイトの検索対象に入っていないのかを説明します。

夜間・早朝等加算とは

診療所が夕方や早朝、休日などに診療した場合、初診料に上乗せされる加算です。厚生労働省の告示には、こう書かれています。

初診料 注9(令和8年度診療報酬改定)

別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関(診療所に限る。)が、午後6時(土曜日にあっては正午)から午前8時までの間(深夜及び休日を除く。)、休日又は深夜であって、当該保険医療機関が表示する診療時間内の時間において初診を行った場合は、夜間・早朝等加算として、50点を所定点数に加算する。

制度の狙いは、通知に「病院勤務医の負担の軽減を図るため、軽症の救急患者を地域の身近な診療所において受け止めることが進むよう」と書かれています。夜間や早朝に開けている診療所を評価して、軽い症状で大きな病院の救急に行かなくて済むようにする、という趣旨です。

対象になる時間帯

整理すると、次の時間が対象です。いずれもその医療機関が診療時間として掲げている時間内であることが条件です。

区分時間
平日午後6時から午前8時まで(深夜を除く)
土曜日正午から午前8時まで(深夜を除く)
深夜午後10時から午前6時まで。診療時間として掲げていれば対象
休日終日。診療時間として掲げていれば対象

平日と土曜については、深夜(午後10時から午前6時)と休日は「除く」と書かれています。ただしそのすぐあとに「休日又は深夜であって、当該保険医療機関が表示する診療時間内の時間」も対象だと続きます。診療時間として掲げていない深夜や休日に無理を言って診てもらった場合は対象外で、そちらは深夜加算や休日加算になる、という書き分けです。

「時間外加算」との違い

名前が似ていて混同しやすいのですが、別の加算です。通知はこう区別しています。

通知(23)カ

診療所の夜間・早朝等の時間帯の診療を評価した夜間・早朝等加算は、主として、保険医療機関が診療応需の態勢を解いた後において、急患等やむを得ない事由により診療を求められた場合には再び診療を行う態勢を準備しなければならないことを考慮して設けられている時間外加算、深夜加算、休日加算とは明確に区分されるものである。

言い換えると、こうなります。

  • 夜間・早朝等加算……最初からその時間を診療時間として掲げている。「夜7時までやっています」という診療所に7時前にかかった場合。
  • 時間外加算・深夜加算・休日加算……診療時間を過ぎて閉めたあと、頼まれて開けた場合。

どちらも窓口の負担は増えますが、成り立ちが違います。夜間・早朝等加算のほうは「開いている時間に行った」のに加算が付くので、意外に感じるかもしれません。

受付をした時刻で決まります

通知には、加算が付くかどうかは受付の時刻で決まると書かれています。

通知(23)オ

夜間・早朝等加算は、当該加算の算定対象となる時間に受付を行った患者について算定するものであり、多数の患者の来院による混雑や、保険医療機関の都合(やむを得ない事情の場合を除く。)により当該加算の算定対象となる時間に診療が開始された場合は算定できない。

午後5時50分に受付をして、混んでいて診察が6時半になった場合、加算は付きません。逆に6時10分に受付をすれば、診察が6時20分でも付きます。

いくら増えるか

50点です。診療報酬の1点は10円なので、総額で500円です。窓口で払うのは自己負担の割合ぶんになります。

負担割合窓口で増える額
3割150円
2割100円
1割50円

初診料に付く加算なので、再診では付きません。また、往診料を算定した場合にも初診料に加えて算定できると通知に書かれています。コンタクトレンズ検査料や人工腎臓の一部の加算を算定する場合には、併せて算定できません。

医療機関側の条件

どの診療所でも算定できるわけではなく、施設基準があります。

  • 1週間あたりの表示診療時間の合計が30時間以上の診療所であること。
  • ただし、月1回以上、地域医療支援病院や救急病院などに赴いて夜間・休日の診療に協力している場合は、27時間以上でよい。
  • 診療時間を建物の外に表示し、地域に周知していること。
  • 常に医師が不在になる時間は、表示診療時間に数えない。

「表示する診療時間」とは、通知によれば「来院した患者を常に診療できる体制にある時間又は計画的に訪問診療を行う時間」です。学校医や産業医の業務で不在にする時間、地域行事で不在にする時間は含まれません。

なぜこのサイトで検索できないのか

当サイトは、医療機関が地方厚生局に届け出た施設基準をもとに検索できるようにしています。しかし夜間・早朝等加算は、届出が要りません。通知にはっきり書かれています。

通知 第1の2 の2「届出に関する事項」

夜間・早朝等加算の施設基準に係る取扱いについては、当該基準を満たしていればよく、特に地方厚生(支)局長に対して、届出を行う必要はないこと。

条件を満たしていれば、届け出なくても算定できます。そのため、全国8つの地方厚生局が公開している届出受理医療機関名簿を医科・歯科・薬局まで通して調べても、この加算は1件も出てきません。当サイトが「夜間・早朝の診療」で検索できるようにしていないのは、そういう理由です。

夜間や早朝に開いている医療機関をお探しの場合は、厚生労働省の医療情報ネット(ナビイ)で診療時間から探せます。各医療機関の診療時間は、そちらか、医療機関のウェブサイトでご確認ください。

まとめ

  • 対象は午後6時(土曜は正午)から午前8時まで。ただし深夜と休日は除きます。
  • 加算は50点。窓口では3割負担で150円ほど増えます。
  • 「時間外加算」とは別物です。診療時間として掲げている時間内であることが条件です。
  • 受付をした時刻で決まります。混んでいて診察が遅れても加算は付きません。
  • 届出が要らない加算なので、当サイトでは検索できません。
制度は改定されます

診療報酬は2年ごとに改定され、加算の名称・要件・点数が変わります。この記事は2026年9月10日時点の内容です。最新の内容は厚生労働省の資料でご確認ください。

この記事は制度のしくみを説明するもので、特定の医療機関の受診をすすめるものではありません。診断・治療については医師にご相談ください。

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