生活習慣病管理料と充実管理加算(なぜ名簿に出てこないのか)

糖尿病や高血圧で通院していると、明細書に「生活習慣病管理料」と書かれていることがあります。この項目は届出が要らないため、当サイトでは検索できません。かわりに、令和8年度改定で入った「充実管理加算」は届出制で、名簿に載ります。両者の関係を説明します。

生活習慣病管理料とは

糖尿病、高血圧症、脂質異常症のいずれかを主病とする患者について、治療計画を立てて総合的に管理することを評価した診療報酬です。(Ⅰ)と(Ⅱ)の2種類があります。

施設基準としては、次のようなことが求められています。

  • 生活習慣に関する総合的な治療管理ができる体制があること。歯科医師・看護師・薬剤師・管理栄養士などの多職種と連携して行うことが望ましいとされています。
  • 28日以上の長期の投薬やリフィル処方箋の交付に対応できることを、院内の見やすい場所に掲示すること。
  • 特定健康診査などで治療や精密検査が必要と判定された人の診療を行うなど、地域の生活習慣病の早期発見・重症化予防の取組と連携すること。

なぜ名簿に出てこないのか

条件はありますが、届け出る必要がありません。通知にはこう書かれています。

通知 第6の9 の7「届出に関する事項」

生活習慣病管理料(Ⅰ)の注1及び生活習慣病管理料(Ⅱ)の注1の施設基準については、当該基準を満たしていればよく、特に地方厚生(支)局長に対して、届出を行う必要はない。

そのため、全国8つの地方厚生局が公開している届出受理医療機関名簿を通して調べても、「生活習慣病管理料」は1件も出てきません。夜間・早朝等加算と同じ事情です。

当サイトが「生活習慣病の管理」として扱っているのは、次に説明する充実管理加算などの、届出が要る項目です。生活習慣病管理料を算定している医療機関より狭い範囲になります。近所の内科が名簿に出てこないからといって、生活習慣病を診ていないという意味ではありません。

充実管理加算とは

令和8年度の診療報酬改定で入った加算で、こちらは届出制です。生活習慣病管理料に上乗せされます。

特徴的なのは、主病ごとに別々の届出になることです。名簿には次の6種類が別々の行として載ります。

届出名称略称全国の届出
充実管理加算3(高血圧症を主病とする場合)充管高32,811件
充実管理加算3(脂質異常症を主病とする場合)充管脂32,809件
充実管理加算3(糖尿病を主病とする場合)充管糖32,809件
充実管理加算1(高血圧症を主病とする場合)充管高12,361件
充実管理加算1(脂質異常症を主病とする場合)充管脂12,361件
充実管理加算1(糖尿病を主病とする場合)充管糖12,361件

3つの主病でほぼ同じ件数なのは、届け出る医療機関が3つまとめて届け出ているためと見られます。

充実管理加算1は「上位20%」が条件

充実管理加算1の施設基準には、他の届出にはあまり見られない条件が入っています。

通知 第6の9 の2(1)ア(脂質異常症の場合)

次に掲げる割合に基づき算出される、届出時点における直前の集計期間の実績値が、充実管理加算の届出を行う保険医療機関全体のうち、上位20%であること(集計期間中に当該主病の生活習慣病管理を行った患者数が10人以上である場合に限る)。

何を測っているかというと、2つの割合です。

  1. 投薬で治療管理している患者のうち、集計期間中に該当する血液検査を受けたか、特定健康診査を受診した患者の割合
  2. 外来の受診間隔がいずれも6か月以内で、最後の受診から集計期間の終わりまでも6か月を超えない患者の割合

つまり、必要な検査をきちんと実施しているかと、患者が間を空けずに通えているかです。治療の成績そのものではなく、管理の過程を測っています。

これは順位付けではありません

「上位20%」という条件は、厚生労働省が届出の要件として定めたものです。当サイトが医療機関を評価したり順位を付けたりしているわけではありません。また、この指標は検査の実施率と受診間隔であって、治療の結果や患者の満足度を測ったものではありません。

患者数が10人未満の医療機関はそもそも対象外です。生活習慣病を丁寧に診ていても、規模の関係でこの届出ができない診療所は多くあります。

このほか、外来医療等調査への参加と、データ提出の体制も条件になっています。

生活習慣病に関わる届出制の項目は、ほかにもあります。

届出名称全国の届出
糖尿病合併症管理料3,340件
糖尿病透析予防指導管理料1,888件

糖尿病合併症管理料は足の壊疽などの合併症予防の指導、糖尿病透析予防指導管理料は腎症の進行を抑えて透析への移行を防ぐ指導についての届出です。どちらも専任の医師と看護師などの配置が要ります。

受診するときに

生活習慣病で通院先を探すとき、この届出の有無だけで決めるのは適切ではありません。名簿から分かるのは体制の届出だけで、通いやすさ、説明の丁寧さ、専門医がいるかどうかは分かりません。

当サイトの生活習慣病の管理の届出がある医療機関は、あくまで届出のある医療機関の一覧です。近所の内科が載っていなくても、生活習慣病の管理を受けられます。かかりつけの医師にご相談ください。

まとめ

  • 生活習慣病管理料そのものは届出が要りません。だから名簿に出てきません。
  • 対象は糖尿病・高血圧症・脂質異常症の3つです。
  • 充実管理加算は届出制で、主病ごとに別々の届出になります。
  • 充実管理加算1は、検査の実施率と受診間隔で上位20%に入ることが条件です。
  • 全国では、主病ごとにおよそ2,400件から2,800件が届け出ています。
制度は改定されます

診療報酬は2年ごとに改定され、加算の名称・要件・点数が変わります。この記事は2026年9月10日時点の内容です。最新の内容は厚生労働省の資料でご確認ください。

この記事は制度のしくみを説明するもので、特定の医療機関の受診をすすめるものではありません。診断・治療については医師にご相談ください。

届出から医療機関を探す